”不安に対処するには、時間軸をいじる。”
最近妻が図書館で借りてきた『最高の体調』という本。
興味本位で読んでみたら、これが面白くて考えさせられる内容でした。
不安やストレスについての新しい視点を学べるこの本、
特に現代人が感じる「ぼんやりとした不安」の原因と解消方法について語られている部分が心に刺さりました。 ”時間軸をいじる”とは?
1. 不安の正体とは?
本書によると、不安という感情は本来、「目の前の危険から身を守るための短期的なアラート機能」として発達したものだそうです。しかし、農耕社会の登場以降、未来のことを考える機会が増えたことで、不安が長期的に持続するようになったといいます。
たとえば、狩猟採集民族の暮らしでは、「すべてを現在と捉える」生活スタイルのため、時間の概念が曖昧で不安も少ないそうです。一方、現代社会では老後やキャリア、健康といった将来のことに意識が向きやすく、不安が増幅しているのだとか。
特に印象的だったのは、「長らく狩猟採集を行なってきたアフリカ人にとって、未来という時間感覚がない」という話です。実は私も以前、アフリカ出身の方と仕事をした際、会議の時間を過ぎても姿を現さず、連絡もないまま1時間遅れて来られた経験があります。その時は驚きましたが、本書を読んでようやく納得しました(笑)。
そもそも不安は、短期的に発生してすぐに消える感情のはず。しかし、現代社会では未来の不確実性が原因となり、アラートが鳴り続けている状態になっているのです。
2. 不安を解消する方法:未来を今に近づける
現代人が抱える漠然とした不安を解消する鍵は、「未来を今に近づけること」、つまり“時間感覚を調整すること”にあると本書は説明しています。
具体的には「今この瞬間に集中して生きる」こと。私たちが実際に生きられるのは“今”だけです。しかし、未来のことばかり気にしてしまうと、未来の不確実性に囚われ、不安が募るのも当然です。
そのためにまず理解すべきなのが、目標と価値観の違いです。
- 目標:未来に達成すべきゴール。結果が出るまで不確定で、不安を伴いやすいもの。
- 価値観:現在進行形で「自分がどうありたいか」を示す指針。日々の行動に直結します。
本書では、「弁護士になりたい」という目標だけを追いかけた場合の例が紹介されています。この場合、「試験に受かるか落ちるか」という曖昧な未来に心を支配され、心理的に未来との距離が広がり、不安も強くなるというのです。
一方で、「弱い人を救いたい」「新しい知識を学びたい」といった価値観を軸にすれば、司法試験の勉強は「他人を救うための実践」や「知識を得る楽しみ」に変わります。不確定だった未来が、価値観によって“今”に引き寄せられるのです。
このように、行動を価値観に基づいて捉え直すことで、未来の不安を“現在の充実”へと変換することが可能になります。これが「時間感覚を調整する」という考え方です。
未来の不安を価値観で変換し、今この瞬間にできる行動として読み替える。
結論:現代人の不安に立ち向かうヒントを学ぶ
『最高の体調』を読んで、不安の正体やその解消方法について深く考えるきっかけを得ました。
未来の不安を感じやすい現代だからこそ、「未来を近づける」「価値観を基に行動する」という方法が有効なのだと実感しました。
不安から解放されるヒントが詰まった一冊ですので、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?
読書すると自分が生きるヒントが不意に見つかったりするよね。
毎月2冊は読むことを目標にしています。(いつもできている訳じゃないけど・・・)
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