
多くの人が資産形成というと、まず投資することを考えます。しかし、ここには一つの決定的な問題があります。投資成績は「運」に大きく左右される、という事実です。
もちろん、高いリスクを取ればリターンも上がるかもしれませんが、それは「適切にリスク管理できているか?」という別の問題を生みます。
では、資産形成のスピードを本質的に決めるのは何か?
それは「入金力」、つまりどれだけの資金を投じられるかという点です。
「投資成績」ではなく、「入金力」に目を向けよ
投資成績が運に左右される以上、私たちが本当にコントロールできるのは、入金力の向上だけです。入金力とは、シンプルに言えば「どれだけ稼いで、どれだけ貯められるか?」という話になります。
資産形成のフレームワークは、次のように整理できます。
(収入 – 支出) × 運用利回り
この式を見ると明らかですが、
- 「支出削減」には限界がある。
- 「運用利回り」は運の影響を強く受ける。
- 「収入」は努力次第で増やせる。
つまり、資産形成を加速させたいなら、収入を増やし入金力を高めることに集中すべきなのです。
「人的資本」→「社会資本」→「金融資本」の順番を意識する
資産形成には順序があります。いきなり大きな金融資本(つまりお金)を手に入れることはできません。しかし、人的資本を育て、それを社会資本につなげることで、結果的に金融資本は増えていきます。
- 人的資本(スキル・知識・経験): まずは自分自身の市場価値を上げる。
- 社会資本(人脈・信用・ブランド): 人的資本を活かし、周囲とのつながりを形成する。
- 金融資本(お金・資産): 人的資本と社会資本の結果として、お金が集まる。
この流れを理解すれば、「まず投資」と考えるのは順番が違うと気づくはずです。

人的資本の重要性については、山口周氏の新著に詳しく記載がありました。

「人的資本」の強化こそ、最強の資産形成戦略
人的資本を高める方法はいくつかあります。
- 本業のスキルアップや昇進を目指す。
- 副業を始め、新たな収益源を作る。
- 専門知識や資格を取得し、希少価値のある人材になる。
- 起業し、自分の価値を市場で直接換金する。
これらの取り組みは、単なる資産運用のテクニックよりも、はるかに確実に資産形成を加速させます。なぜなら、人的資本は「運」ではなく、「努力」で成長させられるものだからです。
まとめ:「お金を増やす前に、自分の価値を増やせ」
投資や節約も重要ですが、資産形成のスピードを本質的に左右するのは「人的資本」の向上です。
- 投資のリターンは運の影響を受けやすい。
- 支出削減には限界がある。
- 入金力(収入)を増やすことで資産形成のスピードは劇的に上がる。
- そのためには、人的資本→社会資本→金融資本の順で成長を意識する。
つまり、「お金を増やす前に、自分の価値を増やせ」ということです。
この原則を理解し、実践すれば、資産形成のスピードは飛躍的に向上するはずです。
少額の投資をやるくらいなら、そのお金を勉強に注ぎ込んだ方が長期的にはコスパがいいかもしれません。
コメント